Bloody×Lovers
Search Things

「狼族か・・・お前の記憶の中に、赤いモノがあったが?」


隼騎・・・。


「狼族は、血は啜らないはずだ」


最後に会ったのは、何年前なんだろう。


「なぜ、あの男はお前の血を啜った」


「・・・そこまでは、見えないんですか」


「お前の意思がそれを拒んだ、まるでシャットアウトでもするようにな」


確かに、見られたくはないと思った。


あれは、私と隼騎だけの問題じゃないから。


「・・・傷を増やしてしまったな」


まるで、人形でも扱うような言葉・・・。


「人だから、時間はかかるけど、傷は消えます」


「傷の消えぬ生き物などいない」


「じゃあ、私を人形みたいに扱わないで下さい」


ハッキリと、匡様の瞳を見ていった。


「・・・悪かった」


匡様に頭を下げられると不思議な気持ちになった。


「落ち着いたら、家に帰れ」


「・・・え?」


「お前にも”家族”というものはあるのだろう?」


家族なんて・・・。


「あります、けど・・・帰りたくは、ないです」


「・・・。」


匡様は何事かを考え込むかのように、顎に手を当てて、俯いてしまった。




< 9 / 26 >

この作品をシェア

pagetop