紫苑side


『………結婚しよ…?』


律にいきなり結婚しよ。
なんて言われてた。
でもさ、どう言えばいいのかな。
律は治ってからいいって言ったけど、結婚って…。

あたしは病室の窓をずっと見つめていた。
あたしの気持ちは…どうなんだろう。
したいのか。
したくないのか。
全然わかんない。
あたしは…。
あたしは…どうしたい…。

…―


「紫苑、元気ないじゃんか」

「……」

「紫苑?」


昨日、夜更かししてもずっと、考えてた。
律のプ…プロ…プロポーズ…の答えを。
あたしの病気が完治するかなんて、今現在わからない状況で、あたしはYESと出すのか。
それとも、最初からただの恋人のままでNOと言うか。
迷いに迷いまくって、やっと出した。
それが…。


「あたしは、律と結婚する」


それが、律と家族になること。
あたしが望んだ答えだ。


「ま、マジで…」

「嘘言ってどうする」

「…ヤ、ヤベェ…めっちゃ、嬉しいんだけど…w」


家族になる事も、あたしの理由なんだけど…。
もう一つ理由があるんだ。
それは…律にウエディングドレス姿を見せること。
律をもう一度、もう一度惚れさせるんだ。


「律に、ドレス姿を見せるからね」

「ドレスか…紫苑はピンクが似合うかな!」

「どうだろうね」

「約束な、絶対。絶対、ドレス姿見せろよ?それまで、くたばるなよ!」

「うん!約束する!」


あたしと律は、指切りげんまんをした。
ドレス姿を見せることを。
それと、家族を作ることをね。
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