約束は永久に



紫苑side


午後の3時を回ってもなお、病室には誰も来ない。
来るのは看護師のみ。
少し淋しいがってたりする私。
伊織や錫也は今日、家の用事で来れない。
律は…わからない。
多分、学校が終わらないんだろう。

私は上半身だけ起こして、窓の外を見ていた。
はぁ…。
外出たい。
早く、早く終わらせたいよ。
生か死なんて選ばない。
私はどっちでもいい。
でも、死に転がれば、律との約束、夢を破ることになる。
生に転がれば、律と新しい未来、夢が叶うし、築ける。
それは嬉しい。
だけど、今の私にある道は一つしかないから。


―ガバッ


勢いよく抱き着かれた。
痛い。
痛いよ。律。


「消えるのかと思った」


泣きそうな顔で。
震えてる声で。
私を抱きしめていた。


「私は、消えない…よ」

「いなくなるなよ。俺、お前がいなくなったら何も出来ねぇ」


顔をもっと疼くめる律。
ね、律。
あんたは一人じゃないよ?
私一人消えたって、あんたは平気だよ。
だって律だもん。
昔、私がいなくても平気だったじゃない。


「律だから。へーき。きっと」

「紫苑…」

「大丈夫だよ…。大丈…夫」


そう言うと律は、顔をあげた。
少しだけ笑って私を撫でた。


「ドレス姿見せるまで、絶対にくたばんねぇもんな!」


バカじゃん。
無理して笑うなよ…。
私が…律を悲しませてるみたいじゃん。
不安なら不安って、言えばいいじゃない。


「あ。これ、差し入れ」

「…ありがと。もう、行くの」

「ああ。ゴメンな。付き添えなくて」

「気にしないで。いってらっしゃい」

「じゃ、また来る」


律が出てく姿を見つめていた。
ね、律。
今度は何時来てくれるの
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