絶対、逃がさない!②(短編)
長い渡り廊下の果て、ようやく食堂に到着。
あとは、食券販売機の前に並ぶだけ。
食堂の両開きの扉のガラス越しにみえる販売機の前にはすでに二人。
やはり、教室の近い三年生は早い。
だが、海老原の姿はもうすでに販売機の前にはない。一番に購入して、もうカウンターのところにいっていることだろう。
額ににじんだ汗をぬぐって、おれは販売機に向かう。
「あ、あれは!」
おれの前方を、ゆっくりと歩いていくのは、この前のお姉さまだ!
長い真っ直ぐな黒髪に、天窓からの光が当たって、つやつやと輝いている。
お姉さまを抜かすべきか、抜かさざるべきか。
でも、お姉さまは優雅に歩いていて、おれは走っていた。
しかも、勢いよく。
急には止まれませんから。
おれは、彼女を追い抜いてしまった。
すれ違う瞬間、ふわりと、花のような、かぐわしい良い香りがした。
販売機の前に到着した。
大盛りカツカレーは、まだ売り切れの赤いランプはついていなかった。
おれよりも数秒おくれて、到着したお姉さま。
後ろから、良い香りがする。ああ、おもいっきりかいでみたい。
おれは、反射的に振り向いた。
「あ、あの、どうぞ! レディファーストですぅ!」
あとは、食券販売機の前に並ぶだけ。
食堂の両開きの扉のガラス越しにみえる販売機の前にはすでに二人。
やはり、教室の近い三年生は早い。
だが、海老原の姿はもうすでに販売機の前にはない。一番に購入して、もうカウンターのところにいっていることだろう。
額ににじんだ汗をぬぐって、おれは販売機に向かう。
「あ、あれは!」
おれの前方を、ゆっくりと歩いていくのは、この前のお姉さまだ!
長い真っ直ぐな黒髪に、天窓からの光が当たって、つやつやと輝いている。
お姉さまを抜かすべきか、抜かさざるべきか。
でも、お姉さまは優雅に歩いていて、おれは走っていた。
しかも、勢いよく。
急には止まれませんから。
おれは、彼女を追い抜いてしまった。
すれ違う瞬間、ふわりと、花のような、かぐわしい良い香りがした。
販売機の前に到着した。
大盛りカツカレーは、まだ売り切れの赤いランプはついていなかった。
おれよりも数秒おくれて、到着したお姉さま。
後ろから、良い香りがする。ああ、おもいっきりかいでみたい。
おれは、反射的に振り向いた。
「あ、あの、どうぞ! レディファーストですぅ!」