絶対、逃がさない!②(短編)
「いちおう!? ひどい、親友にむかって」



 おれがよろめいて、泣きまねをすると、くすくすって福田さんが笑った。

 花がひらくみたいで、すっごい可愛い笑顔だ。

 ふ、海老原め、これにやられたな。

 でも・・・おれもやられそう。かわいい。



「・・・こいつのことは、ほっといてと。---陽菜、おまえ、弁当は」

「あっ」



 福田さんが、また、赤くなった。



「・・・教室にわすれてきちゃった。いそいで、届けなきゃって思ったから」

「なにしてるんだよ。しかたないな」



 海老原が立ち上がった。



「今から教室かえってたら、食う時間ないだろ? メニューまだのこってるだろ? おれがおごるから」

「で、でも、そんなの悪いし」

「いいって」


 
 遠慮する福田さんのそばに、短気な海老原が行きかけたとき、声が響いた。



「陽菜!」


 声のほうに三人でいっせいに向くと、お弁当包みを二つ抱えた女の子がかけてくるところだった。

 
 
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