君からの手紙
君からの手紙
今日から新学期。
1年生の時はあまり友達できなかったから今年はたくさんつくりたいと思う。
僕は少し早く起きて制服に手を通した。
ズボンをはいて、ベルトを締めた。
その時、妹がおもいっきり蹴飛ばして入ってきた。
美奈「おにーちゃん!実奈とあそぼー!」
千秋「今は少し忙しいから、学校から帰ってきてからね」
美奈「学校から帰ったら塾に行って遊んでくれない癖に・・・」
千秋「うっ・・・・・」
ものすごくいやみっぽく言うから腹たつけど、本当の事だから言い返せない。
美奈「図星でしょ~。今から一緒に遊ぼ~!」
『お人形さんごっこ』をして遊ぶはめになった。
美奈「リリーがルナちゃんのお家に遊びに行くよ!・・・・ってお兄ちゃん聞いてる?」
千秋「全然。『バコッ』あうっ!美、奈・・・・」
僕は美奈にお腹をおもいっきり蹴られた。
い、痛い。お兄ちゃんは美奈をそんな子に育てた覚えはないぞ!!
美奈「お兄ちゃんに育てられた覚えはないよ。」
千秋「!?なっっ!美奈は心が読めるのか!?」
美奈「んなわけないじゃん!!お兄ちゃんはバカ?バカなの?」
千秋「・・・・行ってきまーす」
美奈「逃げるな~」
僕は机の上にあった靴をひったくるようにとり、階段を転がり落ちるように下りた。
1階では母さんが歌を歌いながら朝食を作っていた。
母「♪~♪~あっおはよー。ちょうどパンも焼けたよ。」
千秋「行ってきま~す!」
母「千秋君ひどい!お母さんがせっかく作った料理を食べず、さらに無視するなんてお母さん悲しいわ・・・・・」
この反応メンドイ。まぁいいか。
僕は席についた。
焼いたパンにハチミツを塗ると口へ運んだ。
お、おいしい・・・・パンってこんなに美味しかったけ!?
みそしるを口に注ぎ口に流しこむ。
あぁー、絶品だ。
美奈「お兄ちゃん見っけっ!」
美奈が叫ぶと同時に朝食を口に詰めこむと靴を持ち玄関へ急いだ。
後からは美奈が追いかけてきていた。
千秋「行ってきまーす」
美奈「待てー逃げるなー!」
母「行ってらっしゃーい。気をつけてね。」
僕はドアを勢い良く開け学校に向かって走り出した。
玄関からは「帰ったら遊ぼうねー」と、美奈が少し顔出して叫んでいた。
こうして、昨日までとは少し違った1日が始まった・・・。
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