溺愛しましょう!狼先輩!!!
「スン..恩だ...なんて。
でもありが...ック...と。」


「うん。
あ。授業もう始まってるけど
戻るのも気まずいし
物置教室にでも行かない?」


「ッ..ゆーがよくピアノ弾いてる所?」


「そうそう。
一緒にサボっちゃお?」


本当は戻ってもいいけど
さーちゃんの
こんな泣きはらした顔見たら
何かあったって誰でも思うから。



なにも言わないのに
じろじろ見られるだけなんて
絶対いい気持ちじゃないもん。



「うん。
行こうゆー。」


「うん!」



早くさーちゃんが本当の意味で
哀しみから解放されたらいいのに。



痛々しくも無理に笑う彼女の手を握り
私は深くそれを願った。









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