その腕で抱きしめて








「ね…あたしが別れてって言ったらどうする?」



あたしは反対を向いて言うと

「俺は彩名信じてるから。…そんな事、理由なしに言わないって」



「…そうだね。…じゃぁ、別れて」




あたしは顔がみれずに
反対を向いたまま言うと


「やだ」



って、思ってもなかった言葉。



「目見て言えないのに、別れるわけないじゃん」


って 後ろから言われて
沈黙が続く。



「凛子に何言われた?」


「………何も」


「嘘、百合の事気にしてんの?」



図星…


黙ってると
「お前が気にする事じゃねーし」


って言われる。



やっぱ、この時点であたし
子供すぎる。


百合さんは、こんなこと
言わないんだろうなぁって…



「なんで…なんで…あたしとなんか…付き……ッン//」



いきなり後ろから唇を塞がれて
あたしの涙は止まらない。



そして離れると
「俺、彩名の事…大好きだから」


< 33 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop