好きになってごめん
「大丈夫、大丈夫!それより、行こ!」


「ならいいけど……。うん、行こっか!」


あたしは友達の手を引いて走り出す。


とにかく、今日は楽しもう!


アイツのことを考えてたって、辛くなるだけだしね!


そう思って、あたしは思いっきり文化祭を楽しんだ。


自分達で頑張って作り上げた文化祭だし、すっごい楽しかった。


アイツがあの子と回ってるって考えると胸が痛んだけど………。


なるべくアイツのことを考えないようにした。


そして、アイツと気まずいまま、文化祭は幕を閉じた―――。


秋。


紅葉が綺麗な、素敵な季節。


あたしは、アイツと喧嘩した。


喧嘩なんて何度もしてるけど、やっぱり胸が苦しくて。


………だけど。
やっぱり素直にはなれなくて。


神様。


やっぱりあたしは、アイツとは結ばれてはいけないのでしょうか?


辛いよ、苦しいよ。


………秋。


あたしとアイツの距離は、遠くなってしまった。










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