好きになってごめん

「………ちょっと、暑苦しいからやめてよ!!」


目の前で、アイツとあの子がベタベタくっついてたから、思わずそんなことを言う。


夏。


また、暑い夏が始まった。


「なんだよっ!別にいいじゃねーか!!」


ブーと唇を尖らせながらそう言うアイツ。


「んもう、暑苦しいのよ!
そういうことは他所でやってよね!」


………本当は、二人が仲良さそうなのを見たくなかったから。


アイツとあの子が付き合って、3ヶ月が経った。


あの日、あたしはアイツへの恋心を忘れるなんて言ったけど、未だに忘れられずにいる。


やっぱり、何年間も好きだったんだから無理なんだよね。


………この恋を忘れるなんて。


「……ったく、行こうぜ。周りがうるさくてゆっくりできないし」










< 92 / 117 >

この作品をシェア

pagetop