龍とわたしと裏庭で⑤【バレンタイン編】
――いいや、君の気持ちを感じるんだ


そう


「じゃあ、わたしがちゃんと圭吾さんを愛してるの、分かるわよね?」

――どうしたの? 急に

「分かってなかったらどうしようと思ったの」


やだ

どうしてわたし、泣いてるの?


――志鶴?

「あのね、親父が変なこと言うから……圭吾さんとわたしじゃ気持ちに差がありすぎるって」

――ああ、『差』って言うより少しばかり『違い』があるかもな

「ないわよ」

――志鶴の気持ちは純粋すぎて、恋と肉親への愛情がごちゃまぜになってる。叔父さんはそういうことを言いたかったんだと思うよ

「圭吾さんはそれでも幸せ?」

――うん。君が僕を愛しているから。大人になるにつれて、ちゃんと僕を恋人として見られるようになるよ


大好き


「もうそっちに帰りたくなっちゃった」


鼻がグズグズいってる。ああ、カッコ悪っ!


――僕も早く君に会いたいよ

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