こいべた
 



「まぁ、私はあの子のいいとこ、最低100個は言えるけど?」


言った後に、ふんっ!と付け足した。

美香子は一夜に牙を出した。


うわっ…俺にライバル意識高い。

しかも、ひじょーに俺をバカにしてやがる有り様だ。

なんなんだ…。

むかつくというよりも、怖いというよりも、かなり悔しい。

まず、「あの子」と言えるじたい羨ましいし、悔しい。


「あのな、伊藤…よく聞け。」

「なによ。」


「数じゃないんだよ。」

「はぁ~?」

「数で決めるんじゃなくて、気持ちなんだよ。…わかるか?」


あっ…良いこと言った、俺。


「たしかにそうね。そして、保坂はきっと、いや…絶対に、今年初の良いことを言ったわ。」


「うんうん…。って、ひで~!」


初じゃねーし、初じゃ!



 
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