君とこんぺいとう
すっかり支度も整って
あとは帰りを待つばかりの私は
ソファに座ってテレビを見ていた

(早く帰ってこないかな)

そう思いながらも、いつの間にかうとうとしていたらしい。

「萌、こんなとこで寝てると風邪引くぞ」

頬に手のぬくもりを感じて目を開けると
スーツ姿の隼人がいた。

「あ、おかえりなさい」

「うん、ただいま。ごめんな、遅くなって」

時計を見ると9時を回ったところだった。

「ううん、私は平気。お疲れさま」

私はソファから起き上がるとキッチンへ向かう。

「ご飯できてるから、着替えてきて」

「分かった」

私たちは普通に夕飯を食べて
そのあとはいつものようにソファに並んで座った。

そっと横にいる隼人を盗み見る。

(よかった、いつもの隼人だ)

私はホッとして息をついた。

「どうした?」

そんな私に気がついて、隼人は私をのぞきこむ。

「あ、あの…たいしたことじゃないんだけど」

「言ってみて」

優しい瞳に心がほんわか温かくなる。

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