空Ⅱ


龍side




梓が満面の笑みを見せてから、坂本希沙や中野海里の所へと走って行った。






「ごめんな。ありがとう」







梓の後ろ姿に呟くと、俺は大阪に帰るために歩き始めた。






「よぉ」


「お前…」




公園を出た所に居たのは、坂本だった。





「さっきまであそこにおったのに。なんでここにいてんねん」



「まあ…私の神業?」




キメ顔をした坂本を冷たい目でしか見れやん俺って別におかしくないと思う。




「…お前ってアホやったんやな」



「アホとか言うな。悲しいから」



「あー…。で、何の用?」








近くで見ると整った顔をしてんな。









「梓のこと、ちゃんとしてくれてありがとう」



「…あぁ」



「私が言うことじゃないかなって思ったけど、羽雲の後ろ姿がすっごい寂しそうだったから」



「余計なお世話や」







そんなダダ漏れてたんか、俺。










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