今宵、貴女と夢心中


めり。


八代さんの頭に、斧が食い込みます。

やけにスローモーションに見えて、私は声も出せませんでした。


脳天からこぼれた紅い液体が、辺りを濡らします。


死んだ、咲に触れるから、僕を侮辱するから


小崎くんの笑い声が響いた時。


「──案外単純だった」


八代さんはケタケタと笑いながら、頭に刺さったままの血塗れの斧を抜き取りました。
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