屋上で


「…お待たせしました」




冷時が舞台から登場しただけで女子から黄色い声援があがる。




ほんと、うぜー。




「こんなに集まってもらって悪いが、俺の用事は1つで1人の女性だけだ」




壇上に居る冷時はいつも見ている冷時とは違って見えた。

それに言葉遣いも普段の口調に戻っている。




「単刀直入に言う。俺が好きな人はクラスメイトの波里千春だけだ。だから今後一切告白は受け付けない。千春以外の女は要らない」




あぁ、冷時最高。


こんなスカッとした真っ直ぐな告白が出来る友人が俺は好きだ。

こんな奴、なかなか居ないだろ?





「ちょっ!冷時君!
でも波里さんって持田君と付き合ってるんじゃないの!?」




1番最前列に居る女がやかましく悲壮な叫びを上げている。


だけど、そんな叫びも冷時には関係なかった。





「…付き合ってるよ。だから?」




「…………っ」




「俺にどんなイメージをしているかは分からないけど、俺はこういう人間だ」




その女は顔を真っ赤にして外へ出て行った。
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