屋上で
俺には1人の姉がいたんだとそこから話を始める事にした。
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三年前の季節は春。
「俺がもつよ」
「それくらいの荷物、私がもつのに…」
買い物の帰り道。
俺達はいつもの会話を繰り広げていた。
「良いんだよ。姉貴は何ももたなくて。
こういうのは男が持つんだ」
ドン
思いっきり肘鉄をくらった。
「げほっ」
「茶一のそういう所、変わらないね。
中坊がナマ言ってんじゃないっての!」
「うっせーよ!」
「よーし!今日はその男気に免じて茶一の好きなハンバーグ作ってあげる」
「あ、おい!あんまり走るなよ!」
父と母は俺が生まれてすぐ亡くなり、姉貴と俺は2人で暮らしていた。
しかし―――
「!姉貴!大丈夫か!?」
少し前を行く姉貴がかがみ込んだので、俺は慌てて駆け寄る。
「ハァハァ…うん、ちょっと疲れただけだから」
姉貴も重い病気にかかっていて余命は半年だと言われていた。
だけど、姉貴は心底明るい人だった。