屋上で


「鈴木、はい、あーん」




「うぉっ!?何しやがっ…………熱っ」




鈴木にも分けてあげよう。
私は鈴木の口にたこ焼きを放り込んだ。




「…んぐ。あのなー、恥ずかしいから"あーん"はやめろ!」




………成る程。言いたいことは分かった。




「それじゃあ、ハイ」




「…っ…!」




"あーん"を言わずに口の中に入れてあげた。

まぁ、さすがに高校生だし"あーん"は照れるよね。気遣いが足りなかった。




「…っだから、自分で食うから!何でお前食べさせんだよ!?」




……我が儘だな…





「つまようじが1本しかなかったから…」





「お前はバカか!?交互に食えば良いだろ!?」




あぁ、成る程。そっちか。




「でも、鈴木のリアクション面白いし…
あ…もしかして嫌だった?」




「はぁ!?」




「いや、だってずっと怒鳴ってるから…」




「いや、あのな?別に嫌とかそういう問題じゃねーんだよ…」




―――なんか鈴木って意外と面白い。
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