《完》パーフェクトウエディング*社長の花嫁は16歳*
「シンガポールのどの辺りにショッピングモールは出来るの?」



シンガポールは過去に三度、家族旅行で出かけた場所。



地理的にも民族的にもアジアの十字路の国。
リトルインディア、チャイナタウン、アラブストリートと色んな民族の街が存在する。



「オーチャードロードだ」


ファションビルが立ち並ぶ…シンガポールのファッションの発祥地。
そんな目抜き通りに出来るんだーーー・・・



「…そこに…俺が立ち上げた…ブランドの店が出来るんだ…。俺もいいオトナだが、ワクワクしてる…」


お父さんはその大きなビジネスに深い想いを馳せていた。
お父さんのキラキラした瞳が私をいっそ追い詰める。

お父さんの為とは言え、あんな悪魔と結婚なんて。
自分の薄幸な運命を呪う。
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