年下のカノジョ~あの子は高校生~
―――でも、きっちりラッピングされているよりも、この方がさりげない感じがして、かえっていいのかも。
 

 うん、そうだ。

 変に気合を入れるよりも喜ばれそうだ。
 

 今は焦りは禁物。

 俺と由美奈ちゃんは、まだ何も始まっていないのだから。



 少しずつ、少しずつ、前進してゆこう。





「写真集をお買い求めになるくらいですから、よほど猫がお好きなんですね」
 ニコニコと話しかけられた。

「え、ええ。
 そうですね」

―――俺じゃなくて『由美奈ちゃんが』だけどね。

 
 あえて説明も訂正もする必要はないので、さらりと受け流す。

 品物も受け取ったし、さあ帰ろうとした俺に、その店員さんが話しかけてきた。



「あと10日ほどで、新しい仔猫が入るんですよ。
 よかったら、また妹さんといらしてください」

―――妹か・・・・・・。

 あれだけ年が離れていたら、カップルには見えないんだな。

 
 心の中でそっとため息。 


「そうします」

 俺も笑顔を返し、ペットショップを出た。

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