年下のカノジョ~あの子は高校生~
 そして、仕事を終えた俺たちはなじみの居酒屋に向かった。




 赤川はレモンサワー、俺はウーロン茶。

 本当はがっつり飲みたい気分だったけど、車で帰らなきゃならないし。
 


 つまみは適当に注文し、まずは先に運ばれてきた飲み物に口をつける。



「―――で、僕に聞いて欲しいことってなんですか?」

「うん・・・・・・」
 そう言って、俺は黙ってしまった。



 何を話そう。

 何から話そう。


 あれこれ色んな事がぐるぐると回って、結局言いたい事が見つからない。




 頼んだ料理が運ばれてきても、俺は何も言えないでいた。

「焦らなくていいですからね」
 ポツリと赤川が言った。



「え?
 あっ、ごめんな。
 黙っちゃって。
 えと、実はさ・・・・・・」

 とにかく何かを話そうと、俺はあわてて口を開く。



 すると赤川は小さく手を振って、“そうじゃないです”と告げる。

「違います。
 “話を進めてください”ということじゃなくって、“無理に行動を起こさなくていいですよ”って意味で言ったんです」
 赤川が苦笑している。



「え?」

 再び聞き返す俺。



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