年下のカノジョ~あの子は高校生~
21】そして5月
 赤川に言われたから・・・・・・という訳じゃないけど、結局目立つ行動を取らないまま時は5月を迎えていた。



 壁につけていた頭を上げ、シフト表を見ながらにんまり。

 なんだかんだ言っても、由美奈ちゃんがバイトに来る日はウキウキしてしまう俺。



「我ながら、なんて分かりやすいんだ・・・・・・」
  


 彼女の姿を見ているだけで『好きだなぁ』ってしみじみ感じる。

 それと同時に今の現状に歯がゆくなる。


 
 弱気な俺。
 
 情けない俺。

 意気地なしの俺。



「自分じゃ、けっこう積極的な人間だと思っていたんだけどなぁ」

 実際にはそうじゃなかったと、日々痛感。



 何気なく携帯を取り出し、新しく撮りためた猫の画像を眺める。
 
 相変わらず由美奈ちゃんとは猫の話題で盛り上がっているけど、それって進展しているうちに入るのだろうか。



 しかも最近では由美奈ちゃんも何かと忙しいらしく、時間ギリギリになって出勤してくる。
 
 おかげでゆっくり話す機会がほとんどない。




「もしかして、進展どころか後退してる?!」

―――い、いや、そんなはずはない。
 

 自分の独り言にぞっとして、俺は頭をブルリと振った。
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