年下のカノジョ~あの子は高校生~
22】雷パニック:告白の行方
 もうじき向かえる夏を前にして、俺と由美奈ちゃんの関係は目に見えるような進展はない。



 けれど。

 後退はしてないなって、手ごたえを感じている日々。



 本当は、こんな頼りない手ごたえじゃなくってさ。

 なんかこう、もっとはっきりと具体的な結果が見えてくれないものか、とも思うけれど。



 赤川の言うとおり、“流れ”ってモノに従うしかないのだろうか・・・・・・。







 日曜日のディナータイム。

 ラストオーダーまであと1時間という8時過ぎ、オーナーがあわてた様子で厨房にやってきた。


「今夜はもう店じまいにする。
 急いで後片付けをしてくれっ!」

「えっ?」

 スタッフの誰もが唖然とする。



―――どういうことだ?

「思っていた以上に台風の上陸が早い。
 急がないと帰れなくなるぞ!」


「ええっーーーっ!?」


 一斉に大声で叫んだ後、みんながバタバタと片付けに走る。





< 159 / 718 >

この作品をシェア

pagetop