年下のカノジョ~あの子は高校生~
24】ネンザ(2) 帰りはおんぶで。
 診断の結果は『左足首の軽いネンザ』。
 

 由美奈ちゃんを診てくれたのは、けっこういい年のおじいちゃん先生。

 俺がシェ・カミノに入りたての頃、さんざんお世話になった人だ。

 胸には『院長』というバッジ。



 カルテを書いていた先生が、手を止めた。


 入り口付近に立っている俺をじっと見る。

「誰かと思えば、三山君かぁ。
 コック姿がすっかり板に付いたのう。
 見違えたよ」

「そうですか?」

 ちょっと嬉しい。



「最近は病院に来ないから、どうしたのかと思っとったよ」

「せんせー。
 俺だっていつまでも新人じゃないんです。
 それに、その言い方だとしょっちゅうケガしていたみたいじゃないですか」

「おや?
 毎日来ていなかったかね?」

「違います。
 3日に1回です!!」



 おとな気なくも、俺は真っ向から否定する。


< 176 / 718 >

この作品をシェア

pagetop