年下のカノジョ~あの子は高校生~
 由美奈ちゃんはケガしている足を引きずって、自分の部屋に入ってしまった。


 取り残された俺とお母さん。


「一体、なんなのかしら?」

 頬に手を当てて、お母さんはため息。

「三山さん、ごめんなさいね」
 申し訳なさそうに、俺に言う。


「いえ、お気になさらずに。
 自由にならない足がストレスなんだと思います」


 そっとケーキの箱を差し出す。

「これ、うちの店のケーキです。
 みなさんでどうぞ」

「わざわざありがとうございます。
 今、お茶を入れますから上がってくださいな」


 由美奈ちゃんは部屋から出てくる気配がない。


「いや、帰ります。
 由美奈さんによろしくお伝えください。
 失礼します」



 そう言って、俺は柏木家を後にした。





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