年下のカノジョ~あの子は高校生~
36】そして、さよなら(2)
 閉店後の厨房。


「ふう、やれやれ。
 とりあえず試作はこんな感じかな」
 俺は頭をガシガシッと掻いて、盛大なため息をつく。


 1人残って新メニューのレシピ作り。

 オーナーから新作サラダに合わせるドレッシングを任された。



 自分が考えたレシピが、店のメニューに載る。

 コックとしての喜びの1つだ。



 ・・・・・・で、居残りして格闘中。




 尊敬する叔父さんに認められたい。

 美味しいって言ってもらいたい。




 なのに。

 集中しようとしても、コックコートの内ポケットにある辞表が気になってしまう。



「せっかく、あれこれ教え込んでくれたのに。
 辞める事になったら、公介叔父さんに申し訳ないよなぁ」



 でも。

 もう後には引くつもりはない。



「ごめん、叔父さん。
 甥っ子のわがままを許してやってくれ」



 そして俺は、またドレッシング作りに戻った。

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