年下のカノジョ~あの子は高校生~

6】くすぶる感情

 12月29日。

 今日から店は1月3日まで連休となる。




 昨夜、結構な量を飲んだ割には二日酔いにもならず、目覚まし時計の音と共にベッドから這い出した。

 こういう酒に強いところは親父に似てよかったと思う。

 もし母さんに似ていたら酒につぶされて、今頃病院のベッドの上だったかもしれない。




 遮光カーテンの隙間からうっすらと光が差し込んでいる。


 俺は窓に近寄り、カーテンを引いた。

 まぶしい光が部屋一杯に溢れる。

 どうやら予報どおり、晴天らしい。


 
「今日中に大掃除を終わらせよっと」

 大きく背伸びをしてから、寝室の隅に備えられた洋服ダンスの前に向かった。


 冬の朝はもたもたしていると、余計に寒さが見に染みるから着替えは手早く。

 今日は出かける用事もないから、部屋着用にしているスウェット上下を着込んだ。


「とか言っても、タイマーでエアコンを入れておいたからそんなに寒くないけどねぇ」

 相変わらず独り言オンパレードな俺である。



 寂しい奴とか言うなよ?

 言われなくても、充分自覚してるから・・・・・・。


 誰かに迷惑かけてるわけじゃないんだから、いいじゃないか、うん。

 



 トーストに紅茶という簡単な朝食の後、まずは洗濯に取り掛かった。

「年末は天気が崩れるって言ってたからな」

 出来る限り今日のうちに済ませてしまおうと、衣類はもちろん、シーツや枕カバーなど気になっているものをすべてかき集めてくる。

 すると、一人暮らしの割には結構な洗濯物の山が出来た。

「さてと、始めるか」
 洗濯機にポイポイと服を投げ入れている俺の手が、昨日はいたジーンズを持った時に止まった。

 柏木さんに言われた時、薄暗い店の外だったからよく見えなかった。

 両手で腰のところを持ち、ぶら下げては改めて染みの具合をチェックする。



「んー、膝の辺りがちょっと汚れてるな。
 まぁ、洗えば落ちるだろ」

 ジーンズを投げ入れた。
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