年下のカノジョ~あの子は高校生~
 その後の田辺さんは、チラチラとこっちの様子を伺っているだけ。


 彼女と接触しないまま、時間は過ぎてゆく。
 
 このままやり過ごせればいいな




 と、思ったのは甘かった。
 



 下げたテーブルクロスをカウンターでたたんでいるのに集中していた私。

 洗面所から戻った田辺さんが、こっちに向かって歩いてきているのに気がつかなかった。
 


 私の横にすっ、と影が出来る。


―――えっ?

 そう思った時には、もう遅い。


「こんばんは」
 にっこりと私に笑いかける田辺さん。

 その目は、案の定笑ってない。



「こんば・・・・・・んは、田辺様」
 引きつる喉をやっとで動かして、声を出す。



 無意識のうちに体が硬直する。
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