年下のカノジョ~あの子は高校生~
63】排除(4)
≪SIDE:由美奈ちゃん≫


 
 出入り口の扉を閉めた時、コツ、コツとハイヒールの音が聞こえてきた。 

 靴音は一直線に私に向かっている。


 嫌な予感。


―――まさかっ!?




 私はゆっくりと振り返った。





 足音が止まる。

「いつもより早い帰宅ね。
 念のために、早めに足を運んでおいて正解だったわ」


 大通りに続く小道の向こうから、やってきたのは田辺さんだった。





「・・・・・・どうしてここに?!」

 私はそこから1歩も動けない。




「どうしてですって?」


 田辺さんは口元に手を当てて、クスリと笑う。


「あなた、まだ分かっていないみたいだから。
 もっと、はっきり言ってあげようと思って」




 クスクス、クスクス。


 意地の悪い笑みを浮かべて、田辺さんがゆっくりと近づいてくる。
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