年下のカノジョ~あの子は高校生~
75】2人で歩む道(8)離さないから
 俺たちの間に穏やかな時間が流れる。


 目の前にあるペアのマグカップを見ても、もう、苦しくない。





 由美奈ちゃんは静かに泣いていた。


 声も立てず。

 ただ、ポロポロと涙を流す。



 その様子があまりにもきれいで。

 愛おしさに拍車がかかり、違う意味の切なさが俺の胸に迫る。



 俺は両腕でぎゅっと彼女を抱きしめ、そして由美奈ちゃんの首筋に顔を寄せた。
 


 彼女独特の香りを胸に吸い込む。





 俺の体の細胞の1つ1つに、彼女の存在が染み渡っていった。
 
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