☆一番星☆
えっと、アパートに入るってことだよね?


小さく頷くと、舜は車のエンジンを切ってから、あたしと一緒に車から降りた。


部屋に入り、まず優太に手を合わせるけれど……


やっぱり涙がどんどん溢れてきちゃって……


それと同時に、二人の泣き顔が頭の中を埋め尽くした。




「絢華さん」


「…うっ……しゅ、ん…」




ぎゅっと抱き締められ、あたしも舜にしがみついた。




「絢華さん」




舜のやさしく呼ぶ声が、今は心に染みる。


舜は、あたしの顔と舜の胸の間に隙間を作ると、顔を覗き込んできて涙を拭ってくれた。


そして……


キスをした。


舜とは初めてのキス。


もちろん舜のことは好きだけれど……


今は……


子供達を泣かせて……


傷付けて……


そういう罪悪感を埋めるためのキスにすぎなかった。
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