☆一番星☆
「ほんとにありがとう」


「なんか、複雑だな」


「……」




眉を目一杯下げながらそう呟く隼人さんに何も言えなくなってうつむいた。




「絢華ちゃん、……たまにさ、蒼太や優華と遊んだりしていいか?」


「えっ」




予想外の言葉に、うつむきかけていた顔をパッとあげた。




「なんつーんだろ、優華は特にさ、生まれてからずっと見てきて……、図々しいんだけど、自分の子みたいな?そんくらい可愛くてさ」




隼人さんのやさしい瞳に、その暖かい言葉に……


目頭が熱くなってきた。




「絢華ちゃん?」


「きっと、……蒼太も優華も、喜ぶ……」




また……


脳裏に、二人の泣き顔が浮かんできて……


涙が溢れてきた。




「絢華ちゃん?どうした?」




隼人さんは、そんなあたしの顔を心配そうに覗き込んでくる。




「あたし、……母親として、最低なことをした。あの子達の気持ちも考えないで」
< 137 / 363 >

この作品をシェア

pagetop