☆一番星☆
何が何だかわからず手を引かれている蒼太は、ずっと『パパ、パパ』と言い続けていた。


あたしは大きなお腹を抱えながら、周りを気にせず声を上げて泣いた。




優太はもう帰ってこない……


この現実を信じたくなかった。




あたしの唯一の救いは、蒼太とお腹の中の子がいたこと。


この子達のために頑張らなきゃと、優太の死を受け入れた。




あれからもう三年。


死を受け入れたとはいえ、いまだに優太を思い出して泣いちゃうし、優太のぬくもりがほしいって思ってしまう。




優太の笑顔が大好きだった……


“絢華”と優しく呼ぶ声が大好きだった……


抱き締められた時に触れる、優太の大きな胸が大好きだった……




いなくなって三年経つのに、いまだにあたしは優太のことを、心から愛してる。
< 15 / 363 >

この作品をシェア

pagetop