☆一番星☆
.


「絢華、すっげぇ可愛かった」




そう言って、舜はあたしの額にキスを落とす。


そんな言葉と仕草に、頬が熱くなる。


恥ずかしくて、両手で頬を挟んで顔を背けた。




ふと、気になったこと……




「あっ!」


「な、なんだよ?」


「お迎え行かなきゃ!」




掛けていたタオルケットから慌てて出て、服を掻き集めて身につけた。


舜はそんなあたしを肘枕しながら見ていて……




「なあ絢華、その顔で行くのか?」




あっ、そうだった。


忘れてた。


どうしよー!


慌てて冷凍庫から保冷剤を出して、ガーゼに包んで瞼に当てるけど、何時間かかるかわかんない。




「俺、行こうか?」


「えっ」




そっか……


その手があったんだ。




結局、舜に迎えに行ってもらった。


蒼太と優華は、嬉しそうに舜に手を引かれながら帰ってきた。




蒼太と優華がいて……


舜がいて……


空からは優太が見守ってくれていて……


こんな幸せな日々がずっと続くといいなって……


ただ純粋に、そう思った。
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