☆一番星☆
「俺は、絢華のそういうところに惚れたからさ」


「よくわかんない。あたしだって舜のあったかいところを好きになったよ」


「俺、あったかい?」


「うん。舜といるといつもここがあったかくなる」




そう言って胸の辺りを押さえる。




「俺のここは、絢華といるとどきどきしっ放しだけどな」




舜も胸の辺りを、握ったこぶしの親指だけ立てて、それで指差しながら言った。


舜はそのまま車を路肩に止めて、運転席と助手席の間から後ろへ身を乗り出した。




「絢華、ちょっとこっちきて」




言われるがままに、体を前に出すと、舜はあたしの肩を引き寄せ、押しつけるようなキスをしてきた。


こうやって舜の傍にいられるだけで、幸せ。


たとえ釣り合っていなくても、舜があたしの傍にいてくれる限り、あたしはずっと舜の傍にいたいな。
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