☆一番星☆
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仕事が終わって外へ出ると……


舜がいつものように、壁に寄り掛かりながら待っていた。




「舜!」


「絢華、お疲れ」


「うん」


「今日、歩きでもいい?」


「えっ?でも、あれ舜の車でしょ?」




目の前に舜の愛車があるのに……




「あいつが乗ってんだよ」


「あいつ?」




首を傾げながら聞くと、舜は大きく溜め息を吐いた。




「慎吾だよ。“俺もついていく”とか言いだしてさ。今寝てるから、このまま黙って置いていこうかと思ってんだけど」


「え!?置いていくの?」


「だってさ、明らかに邪魔じゃん」




眉間に皺を寄せながら、溜め息混じりにそう呟く舜を見ながら、疑問に思ったことを聞いてみる。




「ねぇ舜、慎吾くんは何で急にあんなに変わっちゃったの?」




舜とあたしが付き合い始めてからも、ファミレスには来ていたけれど、必要最低限の会話しかしたことがなかったのに……
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