いっしょに☆鬼退治に行きませんか?

勇者 桃太郎

―社殿の奥に建つ屋敷―

中に入ると、大きな広間に通された。
正面には大きな神棚があり、黒塗りの床板に座布団が敷かれ、私はそこに座りおばあさんを待っていた。

少し遅れて彼が入ってきた。

「…どこかに行ってたの?」


実は、鳥居で死鬼を退治してもらった後からしばらく碓河の姿が見えなくなっていた。

「ああ。ちょっと、な…」

言葉少なく彼は横に敷かれた座布団に座った。

まあ、自分の家だからどこに行こうが関係はないけど…

そう思い、彼の顔を盗み見た。
思っていたよりも近い距離に驚く。
私は僅かに座布団を動かし彼と距離を置いた。

すると、同時に戸が引かれおばあさんが姿を現し「待たせたね」、そう言って私達の前に座った。

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