いっしょに☆鬼退治に行きませんか?
何かの中に堕ちたらしい。
周りは、手で叩いてもびくともしない固い壁。
出口は頭上に見える穴らしき所しかなさそうだ。
ジャンプすればどうにか届きそうで、私は必死に飛び上がりフチにしがみついた。
そして、力いっぱい這い上がる──と、ありえない景色と大勢の人の姿が視界に飛び込んできた。

「なに、この高さは!」

私は随分と高い所にいるらしく、下のほうに集まった人達が随分と小さく見える。
人々はざわついて、一様にどこかを見上げていた。

「…………」


そう…

人々の視線は、明らかに私へと向けられていた。

その中には、私の姿を見るなり歓喜する人や物珍しげに見る人など様々だったが、自分に向けられる奇妙な視線に堪えられなくなり、再び穴の中へと戻った。

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