ヘタレ王子とヤンキー姫
それぞれの思い。
樺音は目の前の男を睨み付ける。


最初に現れてから、1ヶ月。

毎日のように、樺音の前に姿を現している。

「また来たのかよ。」

「あいつと再会したらしいな。感想はどうだ?」

「てめぇはストーカーかよ。マジキメぇ。感想なんてねぇ。それより用件をいえ。」

「相変わらず短気だな。お前の友達、泣かせたら楽しいだろうな。」

「やめてくれなんて言うと思ったか?やれるもんならやってみろよ。」

「そうかよ。じゃぁ遠慮なく」
樺音は動じなかった。

豊が自分の周りをうろつき出してから、春樹たちとは距離をおいていた。

友達を巻き込みたくないと言う、樺音の密かな思いだった。

けれど、理名に怒られて目が覚めた。

自分が傍にいて、守ればいいと。

恵美には颯太がいるから、春樹を守ろうと決めていた。
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