-キミの声が聞きたくて-


私たちの席は相変わらず前後。

こんなにも近くにいるのに、遠い。


毎日、毎時間。
私は陸翔の背中を見ている。

こんなにも近くにいるのに、何でだろうね……?


こんなに陸翔の背中は、遠かった…?


あの日から一週間。
たった一週間で以前と変わらないようになった私たち。


だけど。

だけど、私たち前よりどこか遠い。


授業中、この陸翔の寂しそうな背中を見ると手を伸ばしてしまいそうになる。



“好き”



好き。好き。好き。………好き。




こんなにも、好き。


陸翔、思いを伝えてもいい……?


雫、ありがとう。
私、幸せになれなくても良い。


伝えたい。

今の、この気持ち、大切にしたい。




だから、伝える。






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