大好きでした。
陣先輩が風邪をひいてから一週間がたった。
今では、もうすっかり元気になっていた。



「おはようございます。」

「あ、蓮だ。」


「あ、信太先輩だ。陣先輩は?」


「陣ちゃんは、今職員室だよ。名簿取りに行ってる。」


「そうですか。じゃあ、私はこれで。」


「うん!ちゃんと授業受けろよ?」


「信太先輩じゃないんでちゃんと授業受けますよ♪」


そう馬鹿にしたように言ったら信太先輩が睨みながら早く教室行け!!って言われた。


笑いながら教室に向かうと伊織が元気よく挨拶してくれた。



「おはよ♪蓮!!」


「おはよ♪伊織!!」



他愛ない話をしていると担任が入ってきて朝のHRが始まった。



「もう3年が卒業する。
お前等2年は今の3年には大分お世話になったろ?

だから、卒業式では3年に華を持たせられるように、華やかにするぞ?」


「「「はーい。」」」



そうか、もう3年生は卒業なんだな…。

陣先輩も信太先輩ももう居なくなっちゃうんだ…。

私は、窓の外を見ながらそんなことを思っていた。



「あんた、どうすんの?」

「どうするって?」


「あんたのその気持ちよ。伝えるの?伝えないの?」


伊織の質問に少し悩んだ。

陣先輩が風邪で看病したときに思わず告白しちゃったけど、正直伝えるのが怖い。

伝えちゃったら、今の関係が壊れそうで嫌なんだ…。



「なに?あんた。まさか伝えるのが怖いとかって思ってんじゃないでしょうね?」


「思ってる…。」


「はぁ!?あんたね!?伝えるのが怖いなんて言ってたらいつか取られちゃうわよ!?

いつまでもモヤモヤしたままの気持ちでいたいわけ?
スッキリしたほうがいいじゃない?

当たって砕けろ!!」


「砕けるのは嫌だけど、頑張る!!」

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