【短】最狂恋愛活劇
「お体の方はどうですか?」


ベッドの横にある椅子に座りながら、優しく宗太郎が聞いてくれた。


「大丈夫…」


精神的にはボロボロだけど。


「……婚約者については、親父さんが帰ってきたら詳しく聞いてみましょう」


「宗太郎…あたし嫌だよ…あんな奴と結婚なんかしたくない」


もう本当に無理、泣きそうだよ…。


宗太郎の前ではちゃんとしてたいのに。


「はい…」


あたしの手を握りながら、宗太郎は小さな声で返事をした。


その手をギュッと握り返すと、我慢してた涙が溢れ出した。


あたし、ダサ過ぎ…。
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