【短】最狂恋愛活劇
6.思う壷
「お父さんに言ったら怒られるかな?」


「かもしれませんね。けど、怒られるなら二人一緒にです」


家まで帰る道、足は重いけど心は軽い。


それに、宗太郎と繋いだこの手は、現実なんだって教えてくれるし。

どんな運命にだって、勝ってみせるよ。


「ふぅー…よし、じゃあ入るよ」


「はいっ」


家の前で一つ息を吐いて、気合いを入れ直す。


ガラガラッ


「ただいまー!」


「……あれ?誰も出てこないですね」


この家に誰もいないはずはない。

どういうこと!?


「何か奥が騒がしくないですか?」


「ほんとだ。声が聞こえる」
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