夏休みのＴシャツ

「フフフッ。“アレ”はね、おまじない。」

まだ笑いがおさまらないけど答える。


「おまじない？どんな効果があるの？」


「う～ん、あたしが考えただけなんだけど、緊張しないようにのおまじない。自分のつねった顔想像すると笑えない？それで緊張がほぐれる気がして……」

っていうかいつも見てたのかな。
うわぁ、恥ずい。



「効くんだろ？それ。さっき俺の顔見て笑ってたもんなぁ。」


「恭ちゃんがそんなことすると思わなかったんだもん。ダメだ、思い出しちゃう。アハハッ。」


「笑うなって！！俺、心配してたのに。」


「そこ、静かに。」


「「はい……」」

近くにいた先生に注意されて、首をすくめて返事をする。

その後、あたしたちは顔を見合わせてまた笑った。


「優希のせいだからな。」

「違うよ、恭ちゃんなんだから。いっつもあたしのせいにして……」

「優希。」

「もぉ、何？」


「大丈夫だから。」


えっ？