恋色カフェ


貯金も少なくなってきたし、このままだと、本気で住所が『ネットカフェ』なんてことになってしまいそう。



「お腹減った……」


時計は午後2時を差している。そう言えば、朝から何も食べていない。

財布を覗き込めば、かろうじて小銭で1000円はあるようだ。


私は近くにあったカフェでお腹を満たす事にした。



「はぁ……」


さっきから、勝手に吐かれるため息にウンザリ。ため息製造工場か、って自分につっこみたいくらい。

こんなんじゃ、幸せだってどんどん遠ざかってしまう。


その証拠に、携帯にはダイレクトメールすら来る気配もなく、まっさらだ。



──ゆうべ、秀人(ひでと)にメールしたのに。


最近、彼氏の秀人から連絡が来なくなった。


職も失って、彼とも音信不通になって。

私はこの携帯の状態と同じ、全てまっさらになってしまうんだろうか。


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