つないだ小指
郁人の言葉を胸に東京へ戻ってきた。

少し遅いが、結城の家に寄ることに決めていた。

結城パパにも会いたかったし、

愛菜にも会いたかった。


「な-な-!!!」


愛菜が走り寄り抱きついた。

愛菜すっかり走るのが上手になって。

この2カ月間の愛菜の成長は目覚ましい。

食事も箸など使っていたし、おむつも外れたらしい。

愛菜の近況を、ベビ-シッタ-の梓さんが報告してくれた。

梓さんには感謝している。

子育て経験者で、バツ一で、大学生の娘さんがいる。

地方の大学に居るため、仕送りさえできれば、

家を空けても大丈夫ということで、

住み込みでのベビ-シッタ-を引きうけてくれた。

愛菜も良くなついて、

彼女がいなかったら心配で家を出るなんてできなかった。

梓さんには、保育園のお迎えからお願いして、

朝のおくる時間まで働いてもらっている。

「日中休めるから色々できてお給料いいし申し訳ないみたい。」

と気持ちよく働いてくれている。

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