つないだ小指

おかえり

「手伝うよ。」


背中から声をかけられて、心臓が大きく跳ね上がった


「大丈夫だよ郁人、みんなといてよ。あなたが主役なんだから。」


郁人が帰ってきた。


今夜は、知人たちが集まっておかえりパ-ティ-の真っ最中。


半年間各地を飛び回っていた郁人が、やっと本社勤務になる。


郁人の会社の同僚や、大学の友人が集まりにぎやかだ。


私はパ-ティのホスト役を買って出た。


大体はケ-タリングとお手伝いさんがやってくれるので、


全体の進行と気がついたこっとをチェックしたりするぐらいだ。


グラスの補充をしにキッチンにやってきた。ところ、後ろから抱きしめられた。


「どうしたの、こっちみてよ菜々美。なんで顔見てくれないの?」


「、、、えっと、おかえりなさい。」


ひさしぶりに帰ってきた郁人は、日焼けて別人のように見えた。


ドキドキしてしまってちゃんと目を合わせて話していなかった。


うつむきながら、返事に困っていると、


ぎゅっと、両手を握りしめられた。


「菜々美、かわいいね。顔真っ赤だよ。」クスッ


と耳元で笑いながら囁いて会場へ行ってしまった。


「なっ何言ってるのよ郁人ったらっもうっ!!」


な、なんなの~**郁人ってこんなキャラでしたっけ!!!?





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