記憶混濁*甘い痛み*

……半年振りに、触れる唇  


舌を絡めると、一瞬戸惑い、けれど友梨は唇を、舌を和音に預け甘い吐息を漏らす。


カリ…と、和音のコートを震える友梨の指が掻いた。


和音はソレに気付き、一瞬、唇を離す……と。


「……イヤ……」


と、友梨から、そっと唇を重ねてきた。


その瞳と声は、和音のよく知る友梨に他ならない。


けれど唇は、舌は、和音のキスに酔いつつも、まだ慣れない高校時代に戻ったかのような躊躇いがある。


「……わた、し……?」


ただ側に存在してくれるだけで、涙が出る位愛した男のキスで一気に感度が高められ

友梨はガクリと膝を折り和音にもたれかかる。


和音は友梨を抱えるようにすると、膝まづくように地面に足をつき、求められるままに激しいキスを続けてゆく。




……友梨が、すきだ  

…すきだ  




言葉に出さない和音の想いを、友梨は感じているかのように、愛し気に和音の頬に手のひらをはわせ、切なさに身悶える。




ダメ…私…何を… 

でも…


優しく、けれど唇と舌と思考を支配され、友梨はたまらずに和音にしがみつく。


イヤ…ダメ…でも

……すき?

ダメ…ダメ…どうして

……こんな、に?











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