ロード☆ランナー

「本当に久しぶり！
元気にしていた？」

ロウが楽しげに尋ねる。

「ああ、おかげさまでな。
ロウはどうだ？
最近は腕を上げたか？」

「アメリアほどじゃないけど、かなり強くなったよ。
すぐアメリアに追いつくから！」

「それは頼もしいな。
近いうちに騎士として手合わせできるような機会に恵まれることを楽しみにしておく」

「お手柔らかにね」

ロウは優しい笑顔を浮かべる。

ロウは今でも従騎士だが、
アメリアの方は二ヶ月前、
正式に騎士として独り立ちしていた。

騎士に成れた事をロウは人一倍喜んでくれたが、
アメリアの階級が変わった事で今は一緒に訓練もできない。

ロウの顔を直視するのが少し辛くなり、
視線を落とした。

「アメリア、聞いたよ。
今、凄く大変なんでしょ？」

「……誰からそれを？」

「風の噂、かな。
あまり信じていなかったけど、その様子だと本当みたいだね」

アメリアは何も言えず、
代わりに階段を一歩上って見せた。

「無理はしないでね。
アメリアは真面目だから、そこだけ心配だよ」