定義はいらない
「松木先生はかっこいいと思いますよ。」

「いいじゃ~ん!松木、今日行っとけ!」

「いやいやいや。」

そう言って照れ笑いをする。

本当にかっこいいと思ってるわけじゃない。

悪いとも思わないけど。


「鈴木は彼氏いるの?」

「いないです。」

「へぇ~。」

横でまどかはニコニコ笑っている。

「モテるのにねぇ。」

「適当なこと言わないでよ。」

「モテるんだ?」

松木先生もそこに乗っかってくる。

「モテると思ったことなんて一度もないですよ。」

「これはやっぱり松木だな!」

「ははは。今日、部屋きれいなのでうち来ますか?」

冗談で返す。

モテはしないけど、こういうところでノリがいいって自負はある。

「お~。」

まどかと佐々山先生の好奇の目。

「またまた。」

まんざらでもなさそうな松木先生の態度。

そんなこと絶対起こるわけないと思った。

明日は太朗ちゃんが来る日なんだから。
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